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AD:TRANCE2落選作品とその意味






先日、Diverse systemのAD:TRANCE2の公募の合格発表がありました。
(正確には何もありませんでしたと言うべきか)
見事に落選を果たしたところで、楽曲を公開いたします。

この記事は、その落選楽曲の紹介とその意味を説明する恐らくとても退屈な記事になります。

実を言うとこの曲は「恐らく落選は免れないだろう」と、作る前から大体の見通しは立っていました。
そもそもの製作の目標があまり適していないものでした。

まず楽曲のタイトルは「Antithese」
つまり、アンチテーゼです。
ご存知の方も多いとは思いますが、Diverse systemの常連といわれる方々はトランスというジャンルにおいて恐らくプロと同等かもしくはそれ以上の技術を持っているメンツであるということ。
この公募に向ける曲を作るにあたり、十中八九正攻法では全く歯が立たないであろうと当初から考えていました。
故の反定立でした。

 トランスと言うジャンルを取り巻く偏見によるアンチテーゼを随所に盛り込んで、私の偏見にまみれたトランスを作り出してしまおうと思ったのでした。

 例えば冒頭や末尾の「のりしろ」になる部分。クラブ音楽には欠かせない部分ですが、ここはクラブ音楽を聴きなれない人にとってはどうしても単調に聞こえてしまい「前奏が長い」というクラブ音楽を作る人を一言で殺してしまう大変危険な呪文を生んだりする、クラブ音楽特有の特徴であったりします。
 特に、トランスはジャンルの傾向として兎に角壮大な展開を好む音楽であり、そのせいか一曲が7分を超える曲も大量にある。全体が長くなると共に、「前奏」の部分もさらに長くなるのは避けられないところでもあり、それが原因で「トランスは前奏が長い」という偏見が生まれていたりもするほどです。
 私はここを誇張して、普段からトランスを聞きなれている人にとっても単調に聞こえるようにのりしろの部分をとにかく無展開にしました。(具体的にはキックとハイハットとスネアのみ)

 例えば、トランスのジャンルの傾向。前述の通り、兎に角重厚で壮大な展開を好む。と言うところに着目し、ブレイク部までは極力ミニマルな展開になるようにシンセのフレーズを組むことにします。同時に、サイドチェインもトランスのテンプレートの中にあるような気がしていたので、シンセのリフを執拗にサイドチェインをからませます。

 そして、ブレイクからはあえてトランスの王道展開、壮大、幻想的、重厚、そしてこれでもかという空間系な音作りを心がけます。ここが実は一番の力の見せ所だったのですが、上手くいっていたのでしょうか。私には未だ解りません。解らないなりに、考えうる全ての方法をもってトランスの王道なブレイクを再現します。

 ブレイクは、最高潮に至る寸前で中断されます。そこから唐突にダブステップ、そして急に流行的なシンセリフ。そしてブレイクのメロを回収、と畳み掛けます。

 ここで少し話の方向を変えます。
 この曲の音作りは、全てフリーのソフトシンセサイザー「Synth1」のみで行っています。(Subベースのみ別のフリーシンセ使用)
 トランスは日進月歩かつめまぐるしく進化を遂げていくクラブシーンの中では比較的年長なジャンルです。故に決まりきった作法(王道展開も含め)や偏見、そして聞く側の耳の発達する時間もその分他の新しいジャンルより長いです。
 聞く側はその長い間培った耳で、どんどん新しいものを、しかも質の良いものを求めていきます。
 これはある種、私の意地のようなものでもあって、そして、結局のところ自己満足でもあります。
 つまり、上等なソフトシンセが手に届く値段で無数に存在するようなこの時代にあえてフリーの、シンセを11台も重ねたのは、日々進む技術へのささやかな反抗なのです。
 同時に、私の力試しでもあります。

 私はAntitheseを作りながらトランスへのアンチテーゼを常に念頭においていました。
 結果的に、それは見事に適合せず、公募から落選しました。これはもうほとんど宿命でもあります。

 なぜかといえば、理由は簡単です。クラブミュージックは、頭で聞いているわけではなかったのですから。
 時に、頭を使って製作をすることはあろうとも、クラブミュージックは理屈で聴こうとするにはあまりに適さない音楽でした。たとえ合理的な理論で説明できようとも、聞く側には全くもって関係のない事なのです。もっといえば、アガる側にとって理屈なんて微塵も意味を成さないものだったのですから。

 正直に言えば、悔しいです。
 でも同時に反省もしています。


そういう楽曲を私が作った、という事を、ここに記しておきたかったのです。


おわり。

Comment

Secret

No title

はじめまして!
ニコニコ動画でたまたま見かけてとても感動したのでいてもたってもいられずコメントしにきました。
プロかと思うくらいすばらしい曲です!
しかもこれがすべてフリーでできているかと思うと鳥肌しかたちません・・・!
後半のカットアップとサイドチェインを使ったところ(?)とか最高でした。
ぜひこれからもがんばってください!

No title

>>ルイさん
コメントありがとうございます。
お褒めのお言葉とても光栄です。
DAWはFLですがシンセは全部フリーですよ。9割がたSynth1で作っています。
応援の言葉を胸に今後も頑張らせていただきます!重ねて、ありがとうございます
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