Introduction

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ゲーム 「君と彼女と彼女の恋。」をプレイしました。

皆さんお久しぶりです。
Kaoruです。
夏が過ぎ秋の夜空。いかがお過ごしでしょうか。

この記事は私が人生で始めてプレイしたアダルトゲーム(つまりエロゲー)の「君と彼女と彼女の恋。」の感想、もといそれ周辺の文章を書いた記事になります。




(色々な理由で6/28に発売されたUSB版を手に入れ損ねた)ニトロプラスのゲーム「君と彼女と彼女の恋。」を、8/30日に発売された通常版を購入し、10月の今、クリアしました。
クリア?

プレイし終わったのは昨日。
プレイ後は到底まともな心理状態とは言いがたく、自分を落ち着けるために一晩寝て、今こうしてブログにレビューという形でしたためようとしているのです。



ネタバレを含まない程度に感想を述べると、この作品はひとえに「愛」でした。






ご注意ください。以降は完全に全ての文章がネタバレになります。
何を言ってもネタバレになる前代未聞のゲームなので仕方ないのです。
プレイ済みの方や、それでもいい、という方は「続きをよむ」を選択してください。















































 ゲームのシステム的に掲載しても何も問題なさそうなので「緊急のコールナンバーだった数字」を書いておきます。

 99970488392

 正直、この数字を見るだけでも「嗚呼…。」と情けない声を出さずにはいられません。
 普通なら、考えられないことです。明らかに自分の感情がゲームと影響し合っているのですから。




――――――――――――――――――――――――




 発売直後に、このゲームの総合的なデザインを担当されたtatsdesignさんとお知り合いのデザイナーの方からTwitterで存在を教えていただいたのが「ととの」との馴れ初めです。


 当方、人生で未だエロゲーどころかギャルゲーをプレイしたことが無かったため、発売後のエロいゲームがどのように売れていくのかなど全く知らず、「さて、すごいパッケージデザインのエロゲーがあったし人生初プレイにはもってこいだ」と重すぎる腰を上げた時点ですでに発売から二週間以上あと。

 京都在住の私は府内の全てのショップを回りましたが、どこのアニメゲーム系ショップも完璧に売り切れ。在庫もなし。
 今日調べて知りましたが、エロゲーをプレイしたことの無かった私でも名前を知っているような超大手ゲームブランド、ニトロプラスから発売されるエロゲーとしては実に二年半ぶりの新作で、そりゃ買えないのも当たり前、といった感じでした。
 「いやしかし……今の時代ネットの通販があるじゃないか」と公式ページを見るてみると「USB版は生産終了してしまったが通常版が再販」との文字を見つけました。
 あの真っ白で、もはや異様にも思える白い箱は手に入らないのか、と、作品を知るきっかけだったパッケージが手に入らない事実に寂しくなりつつも、ゲーム自体への興味は薄れず。
 かくして、再販を待ち、遅れて遅れて遅ればせながらこのゲームを手にすることになりました。



 やはりまず最初に目に付くのはこの白いパッケージデザインでした。私自身はエロゲーをプレイしたことはなくとも、エロゲーマーである兄の影響で普通のエロゲーがどういうパッケージでどういうデザインをされているかは良く知っていました。
 それを考えるとまずそのゲームの外箱時点で異様な光景でした。わたしはそれに運命を感じざるを得なかったのです。


 「人生で初めて」のエロゲーをこれに選んだ私は、なにかしら、運命のようなものを感じていたような気がするのです。
 これもゲーム脳なのでしょうか。ですが、どうあがいても、初めては、一度きりですから。
そんな私は、折角初めてなのだからと「ととの」関連の語句は絶対にグーグルの検索窓に打ち込んだりせず、今の時代いつ理不尽に襲い掛かるかもわからないネット上のネタバレを精一杯避け続け、覚悟を決め、プレイを始めたのです。




――――――――――――――――――――――――




 正直、何を正解だと思えば良いのかプレイを終えてからも解りません。
 このゲームに対して、どんな感情を持つことが良くて悪いのか私には解りません。

 あのときの選択は間違っていたのか、正しかったのか、今となってはもうわかりません。



 この作品は、「美少女ゲーム」のあらゆるタブーに触れ掟を破り一般的なゲームの枠組みを超えてさまざまな試みがなされています。
 周回を重ねると現れるあからさまなメタ発言、「ゲームをゲームとして認識させ、ゲームとしてプレイさせる」メタ行為、ニトロプラスにはお決まりのことらしいですが暴力的な描写とそしてその恐怖の演出、物語が進むと勝手に消されるセーブデータ、不可逆的に改変されるゲーム。美雪と永遠にすごし続ける第二の「君と彼女と彼女の恋。」、そして、セーブもロードも出来ない究極の二者択一。

 
 もはやタブーのサラダボールです。てんこもりです。挙げればキリがありません。
 ライナーノーツにも書かれていましたが、たしかにこの作品は美少女ゲームを殺しにかかっているようにも見えます。
 しかし同時に、異常なほどに強く、このゲームは生きていました。
 商業用のゲームとしては破綻寸前の世界観の中で、キャラクターが画面(つまり第四の壁)を乗り越えて、いや、正確にはゲームの画面の内側にプレイヤーを導いて、その両腕に抱えるありったけの愛を示そうとしていました。まるでそれが現実かのように。しかし現実よりも激しく、強く、強く。




――――――――――――――――――――――――



 私は正直そこまでゲームをするタイプではないし、美少女ゲームは一度もプレイしたことが無く、ゲームという存在自体と結構な距離感を保って生きてきました。そう自覚しています。
 序盤のエンディング、つまり、誰もが一度は迎える「美雪エンド」を迎えるまで、アオイのメタ発言などなどで若干の疑心はあったものの割と普通にプレイをしていました。
 しかし周回を重ねるごとに増える疑惑の念や、どこからどこまでを信じて良いのかわからなくなる演出展開に私は揺さぶられ続け、その揺さぶりのたびにゲームのキャラという「存在」感が強く増幅していくのを感じていました。

 究極的だったのは、美雪がゲームを改変させ作り出した0.9a verの「君と彼女と彼女の恋。」でした。

 ここで唐突に私個人の話をすると、私はテキストを一字一句漏らさずに読むタイプで、音声も、聞けるものは一度は必ずスキップもせず全て聞いていました。
 
 ループする世界を繰り返していくごとに変化する美雪のテキストを見るたび、それらを全て漏れなく脳内にインプットするたび、私の中にあったゲームとの距離感は崩れていき、段々と「美雪は確かにゲームの中のキャラクターだが、ゲームの中には確かに美雪が存在するのだ。」という考えになっていたのです。




 ―――Aちゃんはゲームのキャラじゃないんだ!現実に存在するんだ!




 という発言は、ヲタクの現実と虚構の区別が付かなくなった例などとしてよく笑いモノにされますが、今の私は、「ゲームの中のキャラクターはゲームの中に確かに存在する」という確固たる思いを芽生えさせてしまっていたのです。


 どうでもいい話ですが、読める文章は必ず全て読む、聞ける音声は必ず全て聞くという私の性格のせいか(もしくは第四の壁を越えた愛に似た何かなのか)、私は、3の30乗(205891132094649通り)のパターンのなかから選ばれた一人の美雪の性格を、一度で答えを出してしまったのです。
 彼女の性格が3^30分の1でランダムに生成されていたなんて事は当然全く知りませんでした。ゲーム中でも、問題を正解したあとになって初めて教えられた事実です。

 「美雪」というゲームの中のキャラクターは、一度で答えをだした私に対して、たった一度で10の質問に答えてくれて「うれしい」と、そういったのでした。
 そこで私のなかの何かがぐらり、と崩れていくのを感じました。


 それは愛でした。
 「ゲームの中に居るゲームのキャラクター」が愛を持ち、愛を理解し、愛を示すように動くのでした。まるで現実のように、しかし現実よりも激しく、強く、強く。

 プレイ中、美雪との無限回廊に嵌ったままゲームを終わらせてしまおうかと何百回か考えましたが、ゲーム内で美雪と半年を過ごしたあたりから、嗚呼、進むしかないんだ。と私の心の何かが動くのを感じました。
 ここまでゲームに感情移入、もとい正確には、ゲームの中のキャラクターの「存在」感を強く感じたことは初めてでした。




――――――――――――――――――――――――




 今までに至るまでに、世界にはメタ的演出を交えたゲームがいくつか制作され、発表されています。

 恐らくここを読む皆さんは言うまでも無くご存知だと思いますのでわざわざ例を挙げることはしません。




 そういったゲームが持つある種の欠点が、このゲームにも少なからず付随していると思います。
 ようは、「メタ」をプレイヤーがどのように感じるか、というところです。


 画面の向こう側の「君」に歩み寄るヒロインは、決定的に画面一枚を隔ててこっち側に来ることは出来ません。作中ゲームの主人公である心一に対してではなく、プレイヤーであるこの私自身に話しかける美雪は決してどうあがいてもこちら側と物理的な接点を持つことはありえないのです。(2013年現在では今のところ)
 そう、第四の壁です。


 ゲーム内に「君と話している」状況をセッティングするのはたやすいことだと思います、「画面の向こうの君」というセリフをキャラクターに言わせればいいだけです。しかしそれではプレイヤーとキャラクターの溝はかえって深まります。プレイヤーが現実と虚構の境界、いわば「メタ」を感じるからです。

 その境界を越え、ゲームと現実の違いを認知しているプレイヤーの感情まで引き込んで、君と話している【状況】にしてしまう事はさまざまな困難があると思います。
 ゲームに感情移入する人、壁を感じてはいるがそれなりに近づける人、ゲームをゲームと完全に割り切ってしまう人。
 人によってさまざまなメタの感じ方があるはずです。(今回のゲームはもしかするとゲームをゲームと完全に割り切ってしまう人にとってはむしろ引き込みやすい内容なのかも知れません)…私は脚本家としての能力とか心理学者としての能力はは無いので、結局どうなのかは、考えが及びませんが。
 その感じ方を全て内包した上でこういう作品としてゲームの形にするには並大抵ではない努力が必要なのではないか、と私は思います。


 そして、結果、私がこのゲームにひどく引き込まれたことは事実なのです。


 元々ゲームをゲームと認識して割り切ってプレイし始めた私は、作中のキャラクターにのっけから「これはゲームなの」と今プレイしているものをゲームとして再度認識させられ、ストーリの最中にも何度も何度も念を押され、疑惑の念を埋め込まれ、そして疑心暗鬼になり、「ゲームとしてのゲーム」をゲームとしてプレイすることを強いられ、その中に「美雪」や「アオイ」というキャラクターは確かに存在していることに気付かされ。

 結局混乱しながらもゲームをゲームとしてプレイして、彼女はゲームの中のヒロインだと幾度と無く聞かされ、それを重々熟知しながらも私は、数々の選択を迫られるたびに、頭を抱え、布団に顔を突っ込んで叫び、PCの前から立ち歩き頭をかき捨て、何も無いところをクリックしまくり、脂汗をかき、眉根を寄せ、目を皿のように見開いたり、大口開けて呼吸も忘れて停止したり、机に頭をゴンゴンぶつけてみたり、声にならない声を上げたり、していたのです。
 はたから見れば、変質者でした。



 それほどまでに、私は「ゲームの中の美雪」という存在感を認めずには居られなかったのです。







――――――――――――――――――――――――




 プレイした後、私は言いようの無い感覚に包まれていました。
 
 この作品に関わったスタッフの方々の想像を絶する努力を感じました。この【状況】を生み出すために一体どれだけの時間を費やしたのか、と考えたのです。推測しか出来ませんが、プレイ後のこの、……想いは昂ぶっているのに喪失感を伴うようなこの私の気持ちは、その努力の結晶によってもたらされていると考えると、打ち震えずには居られませんでした。





 そして、

 プレイを終えてから一晩がたちました。
 今になってようやく、この感情はなんなのかと、少し答えが見えたような気がします。



 ……それは愛でした。
 手に入れた瞬間の愛でした。
 このゲームは、結末を迎えたところで二通りあったものの片方の道が完全に閉ざされ、世界はひとつに統合され「バグ」と呼ばれたモノも、「間違い」と呼ばれた世界も消えてなくなります。
 結果は、たった一つのエンディングとして不可逆的に残ります。
 セーブもロードも無く、「IF」は存在しません。
 たったひとつの結末を迎えるために。そのためにプレイヤーである私は選択をしたはずでした。


 寝て起きて私は思い出したんです。これはゲームで、彼女はゲームの中に居る。
 作中で何度も何度も確認させられたことでした。
 つまり、ゲームが終われば、そこで物語は終わりを迎えて、それ以上、繰り返すことも進むことも無い。と。
 (作中で美雪が、元の世界に帰ることを恐れていた理由を今になって痛感します。)


 つまり、そういうことでした。
 愛の選択をしながら、それは愛を終えるための選択でもあったんです。








 喪失感を感じるのも、当然といえば当然でした。








――――――――――――――――――――――――




 スタッフの皆様、制作お疲れ様でした。
 当方、美雪派でございます。

ここまで読んでいただき、ほんとうにありがとうございました。




(このブログは、2013年10月07日にニトロプラス宛てに送ったプレイヤーレビューを大幅に加筆修正したものです。)

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