本日、話題のアニメ映画、
「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」を見てきました。
映画のレビューは初めてですね。
少々思うところもあるので、レビューという形で感想と雑すぎる考察も交えつつつらつらと記事にしたためようと思います。
ゆえに
とてもネタバレが多いですので、ネタバレを好まない方は映画をご覧になってから続きを読むことにしてください。
ここから先は全てネタバレです。
とりあえず、自分のためにも結局どういう映画だったのかざっくりまとめておきます。
要約
・ほむらのソウルジェムの中で作られた箱庭から魔法少女メンツ5人(+1匹?)で大脱出に成功!そこで丸く収まるかと思いきや、ほむらはまどか神の強大な力を凌駕する「愛」によって悪魔化。悪魔ほむらはまどかが作り変えた世界をその力で再構成し宇宙を自分の望みどおりに再度作り変える。
おそらくこのような感じかと思います。
一度見ただけの状態での要約なので細かいところが抜けているかもしれません。でも、だいたいこんな感じの展開でした。いわばあらすじ、この映画で具体的に何が起きたのかという事はだいたいこれで説明が付くかと思います。
――――ここで私の正直な感想を少し述べます。――――
「話題作が映画になってちゃんと新しいストーリーをやるのだ」と聞いて私は大分期待していました。例の「マミる」シーンなどで視聴者の予想をぶっとばして話題をかっさらったあの「まどマギ」。そして脚本は続役で虚淵さん。見る人間をぶっとばしてやろう、という気概がそこかしこから感じられる映画です。公開前日には「覚悟してみてください」という旨の新房監督からのコメントまであり、ますます「何かとんでもないことをされるんだろう」という思いは募るばかりでした。
私は、劇場に向かうまでの間、テレビアニメ版のことを思い出したりしながら「どんな話になりそうか」と、それなりに想像を膨らませていました。「きっと私の予想を裏切ってくるんだろう」と淡く思っていました。
結果は意外にも「想像の範囲内」という感じでした。7割くらいは事前に予想した通りだった印象です。
「ほむらはとりあえずミスリードを誘う役割で、最後仲間を裏切る結果になるだろう」、「そこまでの展開は茶番と思えるほどの番狂わせがほむらによって行われるだろう。」
その通りになりました。7割くらいはその通りです。
ですが、予想通りになったストーリーが7割あるだけに、残りの3割は実に疑問符だらけだったのも事実です。特に「きゅうべぇが喋り始めてからあと」はハイコンテクストな状況説明の長台詞が続いて疑問符とその解消をするだけで手一杯でした。
少し肩透かしを食らったような不思議な気分です。「私の予想を裏切った」点では確かにそうかもしれないです。この場合は良くない意味なのですけれど。
というか、ドンデモ展開を期待しすぎたのかもしれません。そういうのを求める映画じゃなかった。
ストーリーの内容的には、とても哀しい映画でした。ほむらの未来を考えると、とても切ない。
――――私の感想はこのくらいにしておきます。――――
まぁ、そういうことはしばしば起こり得ることだと思います。
「予想通りの展開だったなー。」ということは別に悪いことではない、のではないかと思います。
別に物語は受けての予想を必ず裏切らなければならない訳ではないですから。
でも、やっぱりモヤモヤとした腑に落ちないような気持ちが残ります。
そもそも、私の理解が行き届いていないのも大きな要因のような気がします。はっきりと説明されない点も多い映画だったし。それを良しとして進むことも多い演出が盛りだくさんでした。総監督が新房監督なのでそこは想定の範囲内でしたが…。
あと不明点が結構な数あります。
なんでほむらは魔女化しそうになっているのか私は最後までわかりませんでした。アニメ最終話でのまどかの願いのお陰で魔法少女は魔女化しない世界になったはずではないのでしょうか?これは私の記憶があいまいになっているだけなのでしょうか。まどかは全ての時空の魔法少女を絶望から解放しただけで、魔法少女が最終的に魔女になるという設定は書き換わっていないということなのでしょうか。
それとも、きゅうべぇの実験によって強制的にほむらが魔女にされたということでしょうか。
映画の文脈的にほむらは、まどかが神化した世界で一人で戦い続けるうちにソウルジェムが濁っていき最後には絶望→魔女化寸前→きゅうべぇたちがソウルジェムを隔離→まどかを生け捕りにする実験に使用。だったように思います。
とまあ、不明な点と不満な点と不可思議な点と疑問点が混在していてとてもモヤモヤするのです。
考察が雑すぎて文章もかなり乱雑になってきました。これ以上かくとタダの愚痴になるのでやめておきます。
ここでこの映画の気に入った点を上げます。
音響です。
ミュージカルっぽい前半の展開はかなり心が躍りました。
ほむらが見滝原市に異変を感じ始めるシーンにさしかかるまで、たしかほぼずっと音楽が止まらずに鳴っていたように思います。一人ひとりの変身バンク、華麗な戦闘シーン、魔女を諌めるために円卓を囲んだ究極にかわいらしいリリック、全てのシーンに対応して音楽が劇的に変化していく展開は正直よだれ出そうなくらい楽しかったです。(これが虚構だということが分かっているとなおさら)
今回は運よく、映画館の丁度まんなかあたりのとても良い席をとることができたため、音響も映像も最高に良い状態で鑑賞が出来ました。絶え間なく流れる音楽は本当に美麗で流石といわざるを得ませんでした。
あと、序盤の方でさやかと杏子がまどかの周りを追いかけっこでくるくる回るシーンでさやかと杏子の声が本当に私の周りをくるくるしていて感動しました。映画館の音響は凄い。それを作り出した音効さんも凄い。リッチなコンテンツだからできる妥協の無い編集の業を感じました。
演出も相変わらず新房さんらしく、画面構成とか、動く現代日本画のような背景とか、恒例のイヌカレー空間とか、納得の力でした。さすがです。上手いし巧みだし説得力も感じました。
あと、「ファンサービス」という視聴者の欲望的な目線で見るとかなり色々ファンの要望を組み込んでいるなぁとも感じました。ネットに星の数ほど散らばっている大量の意見を収集してうまく映画に足しているような。具体的に言うと「5人が仲良く同じ学校に通っている」「杏さや」「まどほむ」「マミさんがぼっちにならない配慮」などなど。終盤で杏子とさやかの涙腺に響くような共闘シーンがあったのですが、萌えを求めるファン的目線からみるとかなりテンションあがっただろうなと思います。それから、まどかとほむらが積極的にべたべたとくっつくのもわざとだろうなと想像が付きます。マミさんにはなぎさという新しい存在があてがわれました。
ファンサービスの点では製作者側の手厚い配慮を感じました。
総括
結局、私がモヤモヤしたのは大雑把な展開を予想できてしまったということと、解読不能ないくつかの疑問のみで、他の点ではとても面白い作品でした。
序盤のミュージカル的な一連のシーン、ほむらが異変を感じ、シリアスな展開になるまでのあの流れを見れただけでも、この映画を見てよかったと思えます。あれほんとに良かった。虚構だとわかっているけど「一般的な魔法少女」らしく絶望っぽくない敵の倒し方をひたすら進めようとする5人、しかしそのシーンの一瞬一瞬にはサブリミナル的に、見る人を不安にさせるようなカットが混ざる、ただ可愛らしいだけじゃない少々の「毒」。さすがは新房さんだなぁと。「毒」がその前半まではとても良い塩梅で最高でした。
雑な文を結構ながったらしく書きましたが、さっくりまとめるとこの映画は「人を選ぶ映画」なんだと思います。
私はもう少し、理由付けと説明が欲しかったなぁと。感じます。
モヤモヤしたまま見終わるとやっぱり「モヤモヤした映画」という印象にならざるを得ないので…。
以上です。
かなりつたない文章を、ここまで読んでいただきありがとうございました。